夏休み 安全に有意義な日々送ろう


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 県内の大半の小中高校はきょうから夏休みに入った。約40日間にわたる長期休暇のこの機会に学校生活では学べないことをたくさん経験してほしい。本格的な行楽時期に海、川、森などで自然や動植物と触れ合い、家族、きょうだい、友達と交流を深める絶好の機会だ。遊び、学び、趣味の世界を広げ、多くの楽しい思い出をつくってもらいたい。

 一方で危険も潜んでいることを知ってほしい。水に関係する事故も発生している。第11管区海上保安本部によると、ことし発生したマリンレジャーによる人身事故は43件発生し、死者・行方不明者は11人に上る。うちシュノーケルを使った遊泳中が5人で最も多い。シュノーケルの取り扱いに不慣れなまま海水を飲み込んで溺れることが多いという。用具を正しく使い、ライフジャケットを着用するなどして事故を防いでほしい。
 インターネットなどのサイバー犯罪に未成年が巻き込まれる事件も多発している。県警が2013年に摘発したサイバー犯罪のうち児童買春・児童ポルノ法違反と青少年保護育成条例違反はともに11件だ。出会い系サイトやコミュニティーサイトによる児童福祉法違反などの被害に遭った18歳未満の子どもは25人で、いずれも携帯電話で被害に遭っていた。親は子どもに携帯電話を与えっ放しにしてはいけない。有害サイトの閲覧制限など、犯罪に巻き込まれないよう細心の注意を払ってほしい。
 岡山県倉敷市では下校途中の小学5年生の女児が14日夕方から行方不明になっている。直前に男が話し掛けており、事件に巻き込まれた可能性がある。
 県内でも13年に確認された子どもや女性への声掛けなどの脅威事案は256件あり、被害者の約4割は女子小中学生だった。ことし2月には本島北部で男が女児に「あめを買ってあげる」と声を掛けて車で連れ去ろうとした事件も起きた。不審な事案を目撃したら犯罪を未然に防止する上でも警察に通報してほしい。
 安全に気を付けながら、夏休みは課題にも挑戦してほしい。宿題や自由研究のほか、読書、苦手な科目の勉強にも向き合ってほしい。毎朝のラジオ体操に出掛けて早寝、早起きの習慣を保つことも大切だ。
 ことしも子どもにとって健やかで実り多い夏休みが過ごせるよう、親や地域の大人、関係者らで見守りを続けたい。