<社説> しまくとぅば授業 沖縄文化発展に不可欠だ

 しまくとぅばの復興と継承に取り組む「しまくとぅば連絡協議会」が県議会に対して、しまくとぅばの保護・強化に関する条例を制定するよう陳情した。しまくとぅばでの授業実施など学校教育に普及啓発を義務付けることを目的にしている。しまくとぅばを次世代に継承するには学校現場での教育が不可欠だ。協議会の陳情に大きな賛意を示したい。

 ユネスコ(国連教育科学文化機関)は2009年に世界で現存する6千前後の言語のうち2500の言語が消滅の危機にあると発表した。六つの琉球諸語が消滅の危機にあると認定されており、事態を深刻に受け止める必要がある。
 県が昨年実施した「しまくとぅば県民意識調査」では県民の8割前後がしまくとぅばに親近感を持ち、継承の必要性を感じているが、「主に使う」「共通語と同じくらい使う」人の割合は計35・4%にとどまる。使いたくても学ぶ機会がなくて使えない人が多いのだ。この調査結果を見ても教育が必要なのは論を待たないのではないか。
 県議会は06年に「しまくとぅばの普及促進に関する県条例」と「しまくとぅばの日」を制定した。県はこうした流れを受けて、昨年初めて県民大会を開き「しまくとぅば普及推進計画」をまとめた。計画の中で県はしまくとぅば消滅の影響についてこう記した。「県民の郷土愛等も失われ、結果的に沖縄文化の衰退へと繋がるものと危惧される」。
 ところが県は学校での教育プログラムの導入については「学習指導要領上、検討を要する」として慎重な姿勢を示している。しまくとぅばの消滅が「沖縄文化の衰退」と認識していながら、公教育での普及に二の足を踏む理由が分からない。中城村は独自に本年度から小学校で琉球史の授業を始めている。県も知恵を絞ってほしい。
 ハワイでは1983年にハワイ語教育組織が発足し、ハワイ語で授業をする小中高校が誕生した。その結果、82年時点で70歳以下でハワイ語を話せる人が50人未満だったが、現在は2千人以上に増えているという。
 県は陳情にあるように講師養成や教材作成を体系的に進める「しまくとぅば教育センター」(仮称)を設置し、学校現場でのしまくとぅばの授業を早期に実現すべきではないか。文化の中枢である言語を取り戻し、沖縄文化の発展を目指すためにも。
英文へ→[Editorial]Shimakutuba lesson is essential to the development of Okinawa Culture



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