<社説>サイバー犯罪 被害遭わない万全な注意を

 警察への相談件数がことし1~6月、前年同期比37・3%増の5万4103件で、統計を取り始めた2000年以降、最悪となった。中でもインターネット競売を除く詐欺や悪質商法に絡む相談が前年同期比64・1%増の2万5630件と全体の半数近くを占めている。顔の見えない電子上の世界で、不当に金銭を奪われる犯罪が増えていることに強い懸念を抱かざるを得ない。

 県内でもネット犯罪の被害が後を絶たない。県内で13年に摘発されたインターネット利用の犯罪は118件で統計開始の00年以来、過去最多だった。半数近くの48件が詐欺だが、次いで多いのが児童買春・児童ポルノ法違反と青少年育成条例違反がそれぞれ11件だ。出会い系サイトなどに起因する児童福祉法違反などの被害に遭った18歳未満は25人で、いずれも携帯電話で被害に遭っていた。親は子どもの携帯電話に有害サイトを制限するフィルタリングなどの措置を取る必要がある。
 県警は未成年の被害拡大を防ぐため、昨年10月から「サイバー補導」という取り組みを始めている。従来の街頭パトロールではネットを使った犯罪被害を食い止めることはできないと判断し、警察官がネット掲示板を閲覧し、売春行為の「援助交際」などを求める書き込みをした児童を補導する。ことし1~6月の補導は1件だが、引き続き取り組みを強化してほしい。
 インターネットバンキングの犯罪も増加している。利用者のIDなどが盗まれ、預金が別口座に不正送金される被害がことし1~6月、年間で過去最悪だった昨年1年間より約4億4600万円上回る約18億5200万円に上った。県内の銀行でも昨年12月と今年2月に不正送金が確認され、被害額は2300万円だった。利用者本人に成り済まして不正送金させる新種のウイルスが国内で初めて確認されるなど、ネット上の安全対策の隙を狙う手口が一層巧妙化している。
 個人で防げない巧妙な手口の犯罪は関係機関が連携を深めて対策を進めてほしい。一方で個人で取り組めることもある。パソコンやスマートフォンにウイルス対策ソフトを入れたり、ネットショッピングではメールだけでなく電話でもやりとりするなど、被害に遭わないよう万全な注意を払いたい。



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