<社説>県知事選あす投票 県民意思示し未来築け

 10月30日の告示以来、激しい論戦を繰り広げてきた県知事選はあす16日に投票日を迎える。沖縄の未来を左右する重大な選挙である。最大の争点となった米軍普天間飛行場返還・移設問題の行方に決定的な影響を与えるだろう。投票を通じて県民意思を明確に示そう。

 今回の選挙には無所属新人で元郵政民営化担当相の下地幹郎氏(53)、無所属新人で元参院議員の喜納昌吉氏(66)、無所属新人で前那覇市長の翁長雄志氏(64)、無所属現職で3選を目指す仲井真弘多氏(75)=自民、次世代推薦=が立候補している。それぞれの公約や政治姿勢を見極め、投票に臨みたい。
 普天間問題は県知事選の構図に大きな変化をもたらした。1972年の復帰以降、保革の対立構図で争われてきた県知事選は今回初めて保守分裂選挙となった。公明党県本部は自主投票に転じ、過去16年間、保守県政を支えてきた自公の枠組みが崩れた。 
 有権者の意識も変化している。琉球新報と沖縄テレビ放送(OTV)が実施した電話世論調査によると、46%が候補者を決める際、最も重視することとして「普天間飛行場など基地問題」を挙げ、「経済振興・雇用対策」を大きく上回った。これまでにない傾向だ。
 日米両政府が普天間飛行場全面返還に合意して以降、4回の知事選で普天間問題が争われた。今選挙で4氏の姿勢は明確に分かれている。沖縄の将来像を描き、それぞれの主張をしっかり見定めよう。
 気になるのは投票率の行方である。2010年県知事選の投票率は60・88%で、過去最低だった02年の57・22%に次ぐ、過去2番目の低さだった。
 若年層の政治離れが指摘されている。従来とは異なる選挙戦の構図に戸惑う県民もいよう。しかし、有権者の権利を安易に放棄してはならない。新報・OTVの世論調査では90%以上が知事選に「関心がある」と答えた。高投票率で県民意思を示したい。
 今知事選は戦後初めて選挙によって主席を選んだ1968年の主席公選と並ぶ歴史的な意義を持つ。自らの命運を自ら決める自己決定権の重要性が今回ほど意識されたことはない。
 1879年の「琉球処分」以降、大国のはざまで翻弄(ほんろう)されながら、歴史を切り開いてきた県民の歩みの延長上に今回の知事選がある。沖縄の未来を築く1票を投じよう。