<南風>祝・世界のウチナーンチュの日


社会
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 「いざゆかん、我らの家は五大州」という移民の父・當山久三の言葉の通り、沖縄から世界へ羽ばたいて行った多くのウチナーンチュたち。世界中に広がったウチナーネットワークがますます繁栄するようにと願いを込めて制定された「世界のウチナーンチュの日」。昨日、10月30日は、沖縄を愛する全ての人をつなぐ特別な日なのだ。

 小雨のぱらつく9月29日、ロンドンのトラファルガー広場で「ジャパン祭り」が開催された。沖縄市園田青年会の澤岻幸一郎さん、宮里洋一さん、金城美紗さんが、ロンドン沖縄三線会のメンバーと共に舞台で力強いエイサーを披露してくれた。

 沖縄文化芸能指導者派遣で1週間渡英されていたのだ。全島エイサー祭りで何度も優勝経験がある園田青年会のエイサーはすごい迫力で、会場で見ていた私もチムドゥンドゥン。世界中から集まった観光客も、興味深そうに見入っていた。

 10年以上前にロンドン三線会に初めてエイサーの指導をしてくれたのが、当時の園田青年会だったそうだ。まさにウチナーネットワークが広がっている。

 派遣期間が1週間と短く、連日の猛特訓。本番前日も基本の動きを何時間も繰り返し練習していた。そのお陰で、メンバーは短期間なのに素晴らしく上達していた。メンバーの平川さんは、太鼓の代わりに手拍子で練習をしていたら、叩き過ぎて手の平を打撲したそう。宮里さんは、疲れのためか体調を崩して救急病院へ行くというハプニングもあったという。

 沖縄から同行された県庁の仲村さんをはじめ、裏方で頑張ってくれた皆さんに感謝したい。沖縄を愛するみんなの思いが一つになって、エイサーパフォーマンスは最高でした。私もロンドンの片隅で、ウチナーンチュとして生まれた事を誇りに思える一日でした。
(渡名喜美和、英国沖縄県人会会長)