<南風>地域全体で育む


社会
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 平成26年から、うるま市の委託を受けジョブリッジ研究所が就業意識啓発に重きをおいたキャリア教育事業を企画運営しています。この6年間、市の経済部を主体に、うるま市グッジョブ連携協議会、うるま市教育委員会と連携し、市内の小学校18校、中学校11校、高校7校のキャリア教育事業に取り組んできました。

 その集大成として毎年、フォーラムを開催しています。今回は、市経済部就労支援事業のキャリア教育の取り組みと市教育委員会の市民協働学校との初めての共同開催です。学校の先生方、保護者、地域の皆さまに、それぞれの取り組みを知っていただき地域全体で共有理解を深め、子どもたちを育むことについて一緒に考える場にできたらと思っています。

 私自身、子どもが成長する過程において、たくさん悩み、挫折し、そして孤独を感じていました。親の価値観、ルールだけで子どもを育てていることに、疑問を持ちながらも誰に相談したらいいのか、不安を抱えながらの子育てでした。母子家庭で、生活のため働くことを優先せざるをえず、満足に子どもと向き合えなかったことが今でも心残りです。

 その心残りが、今の仕事につながっています。もっと社会制度のことを知っていたら、もっと子育てやそれに関わっている方々との交流を通して学ぶ機会があったら良かったのにという思いがあります。

 社会に開かれた教育課程の実現と職業観を育み、社会へスムーズに移行できるような子どもたちを育む仕組みづくりを目指しています。そんな場になるよう11月28日のフォーラムに向けて、関係者の皆さんと準備を進めています。

 社会の宝である子どもたちを地域全体で育んでいけたら、さまざまな課題も少しずつ変わるのではと願っています。
(赤嶺久美、ジョブリッジ研究所代表理事)