<南風>ひめゆり、新しい世代へ


社会
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 ひめゆり資料館は今年の6月23日、開館30周年の節目を迎えました。多くの皆さまからのこれまでの温かいご支援に、心より感謝申し上げます。資料館ではこの節目に「ひめゆり、新しい世代へ」をテーマに掲げ、様々な事業やイベントを実施いたしました。その総仕上げとなるのが、来年7月の「開館30周年記念リニューアル」です。

 リニューアルのテーマは「戦争からさらに遠くなった世代へ」。今、資料館に来館される方々は、祖父母を含め周りに戦争体験者がほとんどいない世代になっています。そのような世代にもしっかり伝わる展示を目指し、新たな写真やイラスト、映像などを取り入れ、初めて「ひめゆりの戦後」の展示も追加します。音声ガイド等での多言語化も予定しています。

 オープンは2020年7月22日です。新しくなった資料館に、ぜひ足を運んでいただきたいと思っております。

 今年もいろいろなことがありました。中でも首里城の焼失は、言葉にならないほどの衝撃と悲しみを覚えました。多くの方々が述べているように、再建への希望をつなげていかなければと思います。首里城だけでなく沖縄にはさまざまな課題がありますが、未来に希望を持ち続けることが私たちをつなぎ、強くするのだと信じています。

 いよいよ今回が最終回となりました。松元剛編集局長からは「締め切りに追われて大変でしょう」と声をかけていただきましたが、楽しみながら書かせていただきました。家族からは「そんなことまで書いて、ひめゆりの品位を落とさない?」と心配されましたが、多くの方の「楽しみに読んでいますよ」とのお声が、とても励みとなりました。

 半年間読んでくださった皆さま、ありがとうございました。よいお年をお迎えください。
(普天間朝佳、ひめゆり平和祈念資料館館長)