<南風>慶良間諸島国立公園


社会
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 思いがけないご縁により「南風」の執筆を担当します。渡嘉敷村の話題を中心にいろいろ書いてまいります。半年間よろしくお願いします。

 2014年3月5日(さんごの日)、27年ぶりに慶良間諸島が国立公園に指定されました。その宣伝効果は地元が想像していたものを超える大きな反響で、今までたまにしか見かけなかった外国人観光客、特に日帰りのアジアからのお客さまや島内を散策するヨーロッパ地域からのお客さまなど、目に見える大きな変化がありました。

 渡嘉敷村は昨年は約14万人の入域者があり、観光客のみではありませんが、過去最高の実績で夏場のトップシーズンでは地元のわれわれが船の予約も中々取れないほどの状況で、それほど連日多くのお客さまが来島しています。

 渡嘉敷村の商工業者は90%以上が観光業に携わっており、国立公園指定後の経済効果はすごいものがあります。

 商工会としては国立公園の理念である「保全と活用」を両立させながら、より効果的に村経済に寄与できるよう、行政との連携を図りながら、渡嘉敷島の魅力を、全世界に発信していきたいと思います。

 もちろん、入域者が伸びたことで出てきている問題も多々あります。

 那覇から一番近い離島でありその便宜性は大きな利点です。がしかし、日帰り客の増加による受け入れ体制が遅れているのも現実であり、対処策が急がれています。

 陸上交通輸送、インバウンド対策、環境対策など、スピード感をもって取り組むこと、そして実践していくことが課題です。

 渡嘉敷村商工会も、会員と共に考え、行動し、20年の五輪イヤーを大きなビジネスチャンスと位置付け、安定的な経営の持続を目指していきます。
(新垣徹、渡嘉敷村商工会会長)