<南風>レジリエンスの向上

 SDGsと言えば「持続可能」で「誰一人取り残さない(取り残されない)」世界を目指すものですが、もう一つ重要な視点がある、と私は思っています。それは「レジリエント(強靭(きょうじん))な」世界です。この言葉はSDGs目標9と11に含まれており、複数のターゲット(各目標の達成に向けた数値目標等を含む具体的な行動)で出てきます。

 実は日本政府が2015年2月に決定した「開発協力大綱」は、開発途上地域において「質の高い成長」を実現すべく支援を行うことを掲げていますが、それは単なる量的な経済成長ではなく、「包摂的」、「持続可能」、そして経済危機や自然災害を含む様々なショックへの耐性及び回復力に富んだ「強靭性」を兼ね備えた成長である、としています。

 以前、レジリエンスに関する国際会議で、ある出席者が「生きる上で最も偉大な栄光は、決して転ばないことにあるのではない。転ぶたびに起き上がり続けることにある」という故ネルソン・マンデラ氏の言葉を引用しました。予測不能な災害や危機などが起きた時でも人々が再び立ち上がり、いち早く元の状態に戻るためには備えの強化が重要です。

 ケニアでもレジリエンス向上のための協力を行っています。南スーダン、ウガンダと国境を接するトゥルカナ郡は、乾燥地で人口の6割が牧畜を生業とするため、不定期に発生する干ばつの影響を大きく受けます。独自の伝統や価値、牧畜民の行動様式を尊重しつつ、持続可能な地下水利用と自然草地管理、牧畜以外の生計手段の多様化により、干ばつへのレジリエンスを高めてきました。

 同様に、島しょ国は例えば台風や津波、飲料水確保の難しさといった脅威に直面しています。そのレジリエンス強化に沖縄の経験や技術をもっと活用していけたら、と思っています。
(佐野景子、JICA沖縄センター長)



関連するニュース







  • お知らせ


  • 琉球新報デジタルサービス



  • 会員制サービス






  • 他のサービス