<南風>こう見えてもおっちょこちょい


社会
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 その昔、最寄りのバス停で同じアルバイト先の友達の車に乗せてもらうことになり、友人の車を待っていたら、同じ車種の同じ色の車がスーッと止まったので、意気揚々と助手席のドアを開けて乗り込みました。しかし、乗ってビックリ。運転手は全く見知らぬ方で「え? 誰?」と言われ、私も「え? そっちこそ、誰?」と、互いに驚き、車の外では少し怒った顔して戸惑っている女性が車内を覗(のぞ)きこんでいました。

 「あ、間違えた。友達の車と似ていたのですみません」と慌てて降り、女性にも運転手にも平謝りしました。まさに顔から火が出る勢いで、その場から消えてしまいたい思いのまま立っていたのが遠く懐かしい思い出の一つです。

 何せ、そんなおっちょこちょいな私なので、よくよく確認をせずに人違いすることなども多々あります。

 遠くからこちらに手を振る人を「あ、〇〇ちゃんになんとなく似てる、いや、きっとそうかも」と勘違いして、大きく手を振り返したら、けげんな顔をされ、振り向いたら私の後ろの方に手を振っていたんだとわかる時。この経験は何度かあります。そのあと、その場を離れることができない時は、いたたまれない感じです。

 また、先日は議長として議事進行中の会議でジャケットの袖を上げたら、その下に重ねていたお気に入りのブラウスの袖口が目に入りました。「ん? 何かいつもと違う」と凝視して気づきました。そのブラウスは裏表を反対に着ていて、袖口のボタンが内側になっていたのです。「ヒャーっ。またやってしまった」とそう思った瞬間から一人おかしくて、ニヤニヤが止まらなくなりました。

 「しっかり者」のイメージで見られているようですが、私は結構「うっかり者」なので今後とも皆さん温かいお心で見守っていただけたら幸いです。
(下地イツ子、県PTA連合会会長)