<南風>BEYOND2020


社会
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 Bリーグチェアマンの大河正明氏が今月30日付で辞任し、後任に千葉ジェッツふなばしの会長を務める島田慎二氏が7月1日より就任することになった。

 昨年の7月1日に開催されたリーグカンファレンスで、大河氏は『BEYOND2020』と題した中期計画を発表し、26年から運用が始まる新しいB1参入基準を示した。次の6年をフェーズ2と呼び、その中でソフトハードの一体経営として、バスケットボールを見るためのアリーナを全国的に展開し、アリーナを中心に地域が形成され、バスケットボールファミリーが拡大していくというビジョンが描かれた。カンファレンスではBリーグの新アリーナ構想の先陣を切る、琉球ゴールデンキングスの代表木村達郎氏の話もあった。

 15年からバスケットボール界の実務上のトップに就いた大河氏、分裂していた二つの団体が統一され華々しく開幕したBリーグは、順調に成長を遂げた。コロナに翻弄(ほんろう)された今季であったが、次期リーグスポンサーとの契約をまとめ、来季以降のリーグ運営への対策を施し区切りを付けて後進に道を譲った。大河氏の『フェーズ1』から島田氏の『フェーズ2』に切り替わっていく様子が、日本男子陸上の4×100メートルリレーのバトンパスのように見えた。絶妙でロスがなく、次の走者に期待がもてるという意味で。

 少し先の話だが、『フェーズ3』を私なりに想像してみた。全国各地には新世代型アリーナがあり、デジタルコンテンツが隆盛し、毎日のように試合が放送されている。一発勝負の決勝戦は廃止され、NBAのように決勝を含めたポストシーズンは4勝先勝方式に。ホームコートアドバンテージを持つキングスがファイナルで4勝し、島は狂喜乱舞、県民総出でビールかけ。経済効果は1千兆円…続。
(金谷康平、沖縄バスケットボール情報誌アウトナンバー編集長)