<南風>切っても切れない関係


社会
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 物おじせず、堂々としている。そんな印象を持たれることが多く、子供の頃から、頼まれて人前に出る機会も多かった。小・中・高と生徒会を務め、リーダー役は手慣れている。しかし、意外にも本来の私は自ら引っ張るというタイプではない。カメレオンのように、期待される役割を果たしているだけなのだ。

 好奇心が強く、とにかく何でも体験したい。鳥のように自由を求める私と期待に応えて役割を果たそうとする私との狭間(はざま)で揺れている。執筆の話を頂いたとき、紙面を通して何を語れるのだろうか不安になり、お断りすることも頭によぎった。しかし、「縁があって、何か意味があって回ってきたのだろう」と、期待に応えようとする私がいた。「やってみようかな?」芽生えた好奇心が後押しした。

 現在、私は日経教育グループの関連会社で、企業向けに人材育成や組織開発のお手伝いをしている。グループの母体は、那覇市と沖縄市にある専門学校であり、34年前の7月、私が3歳の時に父が創業した。幼い頃から父と会社を見てきたこともあり、家族と同じく、会社との関係は切っても切れない存在だ。

 日本では、事業承継に関する問題が深刻化している。その要因の一つが後継者不足であると言われている。事業承継については当社も人ごとではない。正直なところ、私には覚悟が足りないと思っているし、先延ばしにしたい課題でもある。

 しかし、確実にやってくるその日に向けて、ようやく考えられるようになってきたのも、自社の事業を知り、他社での業務を経験する中で、多くの出会いと気づき、学びがあったからだ。

 これまで経験した教育や人材育成、これから経験する事業承継について紙面を通して真っすぐに伝えたいと思う。

(島袋菜々子、日経教育グループ HRD labo OKINAWA取締役)