<南風>厳しさの裏側

 教員は、人を教え導く職業ではあるが、私は逆に仕事を通して多くのことを学生から学ばせてもらった。

 入社当初の頃は、教員としての自信のなさと学生に嫌われたくないという気持ちから、友達のような接しやすい関係性を築いていたが、年月がたち経験を積み重ねる中で、学生に嫌われることに対して何ら抵抗はなくなっていった。それは、一時の好き・嫌いの感情で学生と向き合っていては、教員は務まらないということを次第に理解できるようになったからだ。

 専門学校日経ビジネスの学生は「自分を変えたい」「夢をかなえたい」という理由で入学しているので、卒業する頃には、学校生活が楽しく過ごせたかということよりも、自分自身がどれだけ成長できたのか、夢に近づいたのかが重要なのだ。つまり、学生から信頼される教員とは、最終的に夢の実現のために一人一人の人生にしっかりと向き合う姿勢や導くことのできる能力を備えることが重要だと気づいた。

 時には厳しい言葉で、時には寄り添い励ましながら、学生一人一人をよく観察し、真摯(しんし)に向き合っていく。しかし、学生も一人の人間なので、感情があり、思い通りにいかないこともたくさんある。教員と学生が互いに意見を交わし、トライアンドエラーを繰り返していくことで信頼関係が強固なものになっていくのだ。1年から2年の短い在学期間のなかで、苦楽を共にし、切磋琢磨(せっさたくま)しながら成長する学生の変容こそが、教員のやりがいだと感じられるように私がなるとは思ってもみなかった。

 残念なことに、在学期間中にうまく信頼関係を築くことができなかった学生もいた。それでもいつか、社会人になり、親になり、さまざまな経験を積むことで理解してもらえる日が来ることを信じて、私は向き合っていく。

(島袋菜々子、日経教育グループ HRD labo OKINAWA取締役)



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