<南風>新しい時代への挑戦


社会
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 今日は9月30日。ちょうど本年度の折り返しである。あっという間に過ぎ去る時間に焦りを感じつつ、この半年間を振り返ってみた。記憶というのはあいまいで、手帳やノートを振り返ってみるとさまざまなことに取り組んでいたことに気づく。

 4月に異動し首里城での勤務がスタートした。新年度が始まって間もなく新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言が発令され公園は休園に。その間にも感染拡大防止のための対策や、昨年の火災により休場していた首里城の再開場の準備。財団での業務以外にも、沖縄県経営者協会の女性リーダー部会での幹事としての活動、そして7月から始まった新報「南風」の執筆など。本年度は新しいことへの挑戦の連続だったことに気づく。

 先日、沖縄観光コンベンションビューローが実施した「新しい旅のエチケット啓発キャンペーン」に参加し、那覇空港でマスク配布を行った。着用が当然となったマスクは、さまざまなデザインのものが増え、ミス沖縄の衣装と合わせたマスク姿もすてきだった。フェイスシールドは空調の効いた室内でもかなり暑いことを知り、JTAのCAの方からはグラス型は熱がこもりづらいことを教えてもらった。観光客は距離を保ちつつ記念写真を楽しんでおり、こうして新しい時代に順応していくのだと感じた。

 本年度の前半は、新型コロナウイルスのため足踏みせざるを得ないことも多かった。しかし、厳しい風雨の後にも美しい草花が芽吹くように、さまざまな時や環境が私たちに変化を促し、新しい時代の生き方が生み出されていくのだと思う。

 新しい挑戦や未知の体験には失敗がつきものである。しかし、それを恐れず自分なりに前進していくことを後半の目標としたい。
(山口茜、沖縄美ら島財団 首里城公園業務課長)