<南風>自然を感じる時間をもつ


社会
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 10月に入ると、日に日に朝晩が涼しく感じられ、外で過ごす時間も快適になりつつある。普段の生活は車での移動が中心だが、昔から歩くのは好きで歩道沿いの木々の成長ぶりや、家々の玄関先に咲く花、鳥の声など車では気付かない発見がある。

 緑のある暮らし。ガーデニングや家庭菜園、観葉植物のある室内。街中でも街路樹やボランティア花壇、そして公園。緑があることで日々の暮らしがずっとみずみずしく感じられる。

 公園内を巡回していると、地元の方や近隣のホテル滞在と思われる観光客などが散策しており、ウオーキングやランニングをしているのもよく見かける。海洋博公園なら熱帯のさまざまな植物を見ることができる熱帯ドリームセンターはもちろんのこと、福木の並木道、郷土村にあるあたいぐゎ(沖縄方言で裏庭の畑・家庭菜園)、グラウンドゴルフのできる芝生地など、いろいろな楽しみ方ができる。オキちゃん劇場近くにある水の階段は水落の連なりと生い茂った木々に囲まれ、探検している気分を味わえる幼い頃からの大好きなスポットである。

 首里城公園にも散策できるスポットは多くある。場内最大の祭祀(さいし)空間である京の内では、木々が生い茂り、大自然に囲まれたようで澄んだ空気を感じながら歩くことができ、そこから西(いり)のアザナへいくと那覇市街、東シナ海を一望でき、日没の頃には美しい夕景を眺めることができる。

 緑は人に癒やしやストレス解消、リフレッシュさせてくれる効果があるといわれている。家で観葉植物やガーデニングをするのはなかなか敷居が高い、続かないな、という人はぜひ公園に足を向けてみてほしい。日常の慌ただしさから離れてのんびり自然に囲まれる時間は、きっと何かあなたの心を動かしてくれる発見があると思う。

(山口茜、沖縄美ら島財団 首里城公園業務課長)