<南風>ゆいまーるの心


社会
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 突然の休校で給食という命綱がなくなる。この危機感を原動力に休校宣言の夜のうちに琉球新報社の方を紹介していただき、電話で概要を話してアポを取った。

 翌日「給食がなくて困る子たちがたくさんいるはずです」と力説。さっそく上司に働きかけてくださり、最終的に社を挙げて取り組んでくれることになった。

 実は私は新聞記者の娘だ。「新聞の存在意義は社会正義の実現にある」と父が言うのを聞いて育った。そんな生い立ちもあり、新報は絶対に社会に必要とされる活動を一緒にやってくれるはずだと勝手な確信を持っていた。

 まるでえたいの知れない新型コロナウイルス。この大変な状況下でどう実現できるのか。社内でも方法について議論があったようで、前向きな検討の結果食支援活動を行うことを決定してくれた。

 当初は子どもたちへおにぎりやパンをロビーで配れればと考えていたが、那覇市まで取りに来られる人数はたかが知れている。それでは足りない。もっと広域に届ける方法はないかと議論を進めていくうちに、新報本社と支社を拠点に県内にある子ども食堂へ食料品を託して子どもたちへ渡してもらう方法が良いのではと支援の方法が決まった。

 同時並行で企業への協力依頼も進めた。新報社が動いて各企業の経営陣へ直接持ちかけてくれた結果、「沖縄の子どもたちのために」とトップダウンの判断が下され、たくさんの食料品寄付という形につながった。発案から10日後には、14社もの企業からご協賛いただき子どもを思う気持ちが集まった「りゅうちゃんランチサポート」が始まった。

 ランチサポートに賛同していただいているみなさんのゆいまーるの心、感謝してもしきれません。この場を借りて改めてお礼を申し上げます。
(富田杏理、おとなワンサード代表)