<南風>沖縄ファンと沖縄オバー


社会
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 私の見解。「なぜ、東京近辺で沖縄ファンが増えたの?」。生後3カ月で沖縄を離れ、神奈川、東京で暮らしてきた私ですが、その答えはずばり、今、元気な沖縄オバーです。

 確か、沖縄の四つの魅力として観光、芸能、食事、酒と書きましたが、この四つの魅力以上に今、70歳過ぎの沖縄オバーの若かりし頃のパワーでした(皆さんは本土で活躍した男性たちを頭に浮かべますよね)。

 昔の東京では沖縄をちょっと見下し、差別的な見方をする人が少なくありませんでした。その意識を劇的に変え、たくさんのファンを生み出したのは他ならぬ沖縄女性の普段の何気ない振る舞いです。なんくるないさー精神と南風のように周りを温かく和ませる空気感と明るく純粋な性格に本土の男性は心を奪われました。かつて世間では沖縄から上京してきた男性は5人のうち4人は沖縄に戻り、女性は5人のうち4人は残るといわれました。確かに男性で長男の場合は沖縄の家を守るということがありましたが、大半は東京での生活がきつく居心地のよい沖縄に戻りました。逆に女性は、帰ろうかな?と思っても魅力的な容姿と笑顔の虜(とりこ)になった男性につかまり結婚し、名字が変わりました。そんな沖縄女性を母親に持つ芸能人にあの人気女優の上戸彩がいます。

 私は都会美人が多い東京でも不思議と一目ぼれしたことは少ないですが、若い頃に初めて沖縄に行った際、行く先々で一目ぼれの連続。それには自分でもびっくり。そして、思いました。もし沖縄で育っていたら、間違いなく女性で身を崩していただろうと。

 沖縄ファンが増えた要因は沖縄オバーの若い頃の南風を吹きまくるパワーなのです。東京近辺の戦後の沖縄の最大の功労者は沖縄オバーなんです!

 沖縄オバー万歳!沖縄万歳!
(新垣進、関東沖縄経営者協会会長)