<南風>心に残る日本代表の戦い


社会
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 前回に続きハンドボール世界選手権の話。日本は対クロアチアの残り10分。1点差、同点が何度も続くが最後までリードを一度も譲らなかった。大金星をつかみかけたが、最後で追いつかれ引き分けに終わった。この試合のプレーヤー・オブ・ザ・マッチに東江雄斗が選ばれ、試合の様子はメディアでも伝えられた。

 続く実力アジア1位のカタール戦も、クロアチア戦に続く好調を見せ、前半は1点リードで折り返したが、後半ミスからの連続失点があり2点差で負けた。数年前は10点差以上で負けていたカタールにも十分に通用することを証明した。

 1勝1敗で迎えたアンゴラ戦、前回大会敗れている相手だし、連戦の疲れから今までの2試合と違うチームになっていた。ミスは多く、内容も良くないが、何とか1点差で逃げ切った。勝つことの難しさが伝わる試合だったが、この勝利で24年ぶりの予選突破となり、久しぶりにハンドボールに明るい話題となった。

 メインラウンドに進み、中南米王者アルゼンチン、前回優勝デンマーク、アジア王者バーレーンと対戦した。アルゼンチン、デンマーク戦とも勝てるチャンスはあったが、相手が試合巧者で惜しくも連敗を喫した。このまま3連敗で終わるのかと思ったが、最終戦バーレーン相手に大爆発。完全なる勝利で4点差の快勝、選手たちの満身創痍(そうい)で戦う姿はとても心に焼き付いた。

 日本代表の奮闘は連日メディアでも大きく取り上げられ、大興奮の中19位という好成績で終わった。日本が勝利まであと一歩まで迫ったデンマークがスウェーデンを退け連覇を果たした。そしてこのデンマーク、実はオリンピックの事前合宿地は浦添市なのだ。このチームを間近で見ることができ、なおかつ調整試合ではコラソンが指名される予定である。
(水野裕矢、琉球コラソン代表取締役CEO)