<南風>人生苦ありゃ楽もあるさ


社会
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 私の好きな言葉は「人生楽ありゃ苦もあるさ涙の後には虹もでる」。あの有名なテレビ番組「水戸黄門」の主題歌で“ああ人生に涙あり”の一節だよ。

 これ、私の持論にぴったりなんだ。人生は途中が良くても、最後の最後に転んだら駄目だね。逆に人生の最後は笑って幕を閉じられれば、これ最高。

 私はね、今でこそ南風のコラムを執筆してるけど、かれこれ25年前の41歳の時にはどん底。半年間はため息ばかり、多分一生分のため息をついたかな。輝いていた目も死んだ魚の目のようになっていったんだ。その時、ささえてくれた家族、友人たちには物凄い感謝だよ。でも、このどん底の経験からたくさんのことを学んだ。それまで見えなかったことがたくさん見えるようになったね。

 勝ち方ばかり研究する生き方だったのが、負け方を追求するようになったのが一番変わったところかな。負けて勝つの生き方だよ。

 負け方を追求すると大きな負けを犯すことはないんだよね。負けても、自ら進んで負けに向かい合って元気でいれば周りの人間は勝ってるわけだから、そんな人たちが自然と元気な私の周りに集まって来てチャンスをもたらしてくれるんだ。

 このコロナ禍で沖縄は今大変だよね、こういう時は無理せず身をかがめ、今できることに集中し、元気に嵐が過ぎるのを待つんだ。沖縄には切り札の観光があるからね。観光の力は日本一、コロナが終息したら必ず一番に復活する県になるよ。国際通りは人でいっぱいになりどこのホテルも満室、飛行機も満席。もちろん離島も含めどこの観光地もにぎわうよ。

 人間ね人生の途中では何があっても最後に笑えればいいんだよ。そう苦あれば楽ありだよ。そのために今をなんとか元気で乗りきろう。生き残ろう。必ず復活する沖縄に万歳。
(新垣進、関東沖縄経営者協会会長)