<南風>ジョン万次郎スピリッツ


社会
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 大げさだけど、コロナ禍は先の世界大戦に匹敵する人類の危機と言ってもいいね。沖縄もコロナ禍に非常に苦しんでいるね。

 私が経営する会社は主婦中心の派遣会社でご多分に漏れずコロナ禍の影響を受け売り上げ15%減。(なんとか黒字)。こんな時代が来るなんて誰が予想した。だからこそ、今、皆、考え方を変えなきゃいけない、明治維新の時代のような変化に適応する感覚だね。

 わが社のある東京の神田には沖縄出身者と高知出身(土佐清水と豊見城は姉妹都市)の経営者が集まる神田会があり、高知の中心は中野正三さん、河野綾さん。土佐清水出身で日本人として初めて米国に上陸したジョン万次郎をNHKの大河ドラマ実現署名活動で現在までに8000筆集めているんだ。

 河野さん曰く「ジョン万次郎が漂流した際にどうして生き延びることができたか、それは自分自身を諦めなかったから。諦めない心をもつこと。環境のせいにして嘆かず、今いる場所で戦う。創意工夫して目の前のことに集中する。貧しい中で14歳で漁にでて漂流し、奇跡的に助かった後も差別のあるアメリカで人生、そんな中で、たくさんの功績を残せたのはすごいですよね」と。今この危機を乗り切る手本はジョン万次郎のスピリッツだ。

 明治維新の立役者、勝海舟、坂本竜馬、福沢諭吉などもジョン万次郎の影響を受けている。

 コロナ禍で私も当社事業に真剣に向き合い大決断。それは「外国人の人材活用」の新規事業。新しい挑戦だ。ベトナム、ネパール、フィリッピン、中国などのアジアの人材とハワイ、ブラジル、ボリビアのオキナワルーツのチカラを発掘して生かす事業だ。将来アジア交流の中心なる沖縄にも行く機会が増えるね。ジョン万次郎万歳。ジョン万次郎スピリッツで沖縄県民頑張れ。
(新垣進、関東沖縄経営者協会会長)