<南風>魅力を花開かせる


社会
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 開花するのは植物だけではない。人の魅力もまた咲き出すことができるものだと思う。

 制限が続き、ありふれた日常が一変した時代に、オンラインで人の才能や魅力を引き出すサポートができないだろうかと考えた。これまで花の作品を撮るために身近だった写真や、仕事でSNS発信を用いてきた強みを生かし、新たに事業化できないかと。そうした中、企画として生まれたのが「ブルーム クリエイティブ シューティング」だった。

 写真撮影とプロフィルの整理を兼ねたコンサルティング。今回の企画のため、私自身、ファッションについても専門家から学びスキルを高めた。ヒアリングや撮影までの衣装決め、イメージのアドバイスなど、依頼者の内面に眠る魅力を最大限に開花させる。その使命を果たすべく、北海道からヘアーメイクの技術やアート的な感覚に優れたプロカメラマンを迎え、この夏から本格始動した。

 ありがたいことに、現在は女性起業家やモデルなどの肩書の素晴らしい才能を持った方々のお手伝いをさせてもらっている。そして、お客さまとたくさんの時間を重ね、仕上がった作品と、その人のプロフィルが合わさると「仕事の問い合わせが増えた」「プロとして自信を持って仕事に臨める」などの報告をもらえ、心躍る瞬間を共有させてもらっている。

 フラワーアーティストとして、花と向き合う時と同じような気持ちでこのプロジェクトに関わっている。カタチは違っても、誰かの魅力が花開いて思いが伝わっていく様を見るのは心からうれしいもの。青い海と自然豊かなこの島は、輝くばかりの才能を秘めた人々であふれている。微力ながら裏方として役に立てることを、この大好きな沖縄で続けていけたらと考えている。
 (宮平亜矢子、フラワーアーティスト)