<南風>人も動物も共に幸せに


社会
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 人が幸せに暮らす社会が動物も幸せに暮らす社会である。そう考え始めたのは動物愛護活動を通して関わった人たちの背景にあった。沖縄に来て12年。ご縁をいただき那覇のマチグヮーでたくさんの人々と関わりながら、仕事や生活を営ませてもらっている。

 その生活の中で、積極的に取り組んでいることは動物愛護のボランティア活動。高齢者、生活困窮者など社会的弱者という立場である飼い主からの相談に関わることが多い。7年間のボランティア活動を通して、見えてきたことがある。それは、飼い主が社会的なつながりを失っていることだ。寂しさや孤独から、寄り添ってくれる、かけがえのない存在が動物だけということ。

 しかし経済的に厳しい状況だったり、頼れる親族や見守る人がいなかったり。その結果、世話も行き届かず、人も動物も幸せに暮らせなくなっていた。「動物を助けたい」という気持ちで始めた活動だったが、同時に人の暮らしにも目を向けていかないといけないと考えるようになる。

 また私は性的マイノリティー(LGBTQs)の当事者の一人である。LGBTQsも含めマイノリティー全般に生きづらさを抱えて生きている人が多く存在している。人は環境が変われば、いつ自身がマイノリティーになるか分からないし身近に人知れず苦しんでいる人たちがいるだろう。

 そのような自身の経験もあり、昨年7月の那覇市議選に挑戦。当選には至らなかったが、沖縄で出会った人たちがありのままの私を受け入れてくれ、社会問題に向き合う機会と挑戦を与えてくれたことに本当に感謝している。私の経験が誰かの役に立つかもしれない。これからもボランティア活動を通して、人も動物も共に幸せに生きる社会を目指し、できることを続けていきたい。

(畑井モト子、琉球わんにゃんゆいまーる代表理事)