<南風>経験から人生を面白く


社会
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 弊社の社名は造語のため覚えづらい。少しでも認知していただけるよう由来を書きたい。社名「ワダチラボ」は人生は何度でも面白くできるという意味を込めている。ワダチはキャリアの語源になる言葉でラボは実験室と直訳され、その二つから連想して人生も実験のように、たとえ失敗したとしても、その経験を学びに変えると未知の自分に出会えると信じて名付けた。

 この社名につながる過去をさかのぼると、私は30歳になるまでに、いじめ、対人恐怖症、事故による目の変形、子宮の手術、DV、パワハラ、適応障害、不妊治療と、人生でできれば経験したくないランキングを制覇しそうな勢いで10代、20代を過ごした。

 振り返ると、その頃の私は人に心配をかけることは悪だと思い、自分を苦しめていた。そんな自分に嫌気が差した頃、当時通っていたキャリアカウンセラーの養成講座で初めて自分の過去と深く向き合い、しくじり人生を好転させることができた。「過去のつらい経験を振り返ってどんな学びがあった?」。そんな質問があり、傾向を分析した結果、二つの学びがあった。

 一つ目は、人に相談できず1人で解決しようとした。二つ目は、弱みに向き合えず改善ができなかった。その傾向を受容できたことで物事の捉え方が変わり、課題を抱えることも急激に減った。どうして私はそう思えたのか。再現性を持って悩んでいる誰かに寄り添いたい一心で心理学や支援スキルを習得し、200社を超える企業さまの支援に携わることができた。

 20代の頃の私からは全く想像できない未来だ。人生は何が起こるか分からない。だからこそ人生のハンドルは自分で握り経験は全て学びに変えることで何度でも面白くできるのではないか。そんな思いの詰まった社名、ワダチラボを覚えてもらえるとうれしい。
(福島知加、ワダチラボ代表取締役)