<南風>システム開発の面白さ


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 「へぇ。そういう仕組みになってるんですね!」。当社は、企業の業務システムを構築する仕事をしている。企業の課題や問題点を聞いていく中で、まず、その会社の仕事の内容を教えてもらう。企業規模や業種はさまざまだ。一部上場の大企業もあれば、中小零細企業もある。普段何気なく生活していると気付かない、企業の仕組み、裏側を知ることができる。この仕事で、私が一番面白いと感じるところだ。

 社長にお話を聞く機会も多い。「わが社はブラック企業だと言われた。どうにかしたい」県内中堅クラス企業の後継社長からの相談だった。業務を効率化し、残業を減らし、利益を出し、社員の給料を上げたい、いい会社にしたい!というお話だった。私がお会いした経営者は、(定義はそれぞれだが)いい会社にしたいと本当に心から願っている。
 新しいシステムを導入するとき、社員から「また新しいことをやるんですか」「やる意味はあるんですか」といった疑問を社長に投げ掛けられる場面に同席することが少なくない。その時私は社長の思いを代弁する。
 「ちょっといいですか。多くの意思決定をしている社長は、皆さんとは比べものにならないほど多くの失敗もしています。そして、連帯保証人となって借り入れをし、人生のすべてを懸けて経営しています。また社長には出世争いもありません。そのため保身する必要もありません。このような条件の下で社長が決定する方針には通常、組織を悪くしようとする意図は微塵(みじん)もありません。組織の、会社の成長を真剣に追求しています。そして、それは社員の皆さんも一緒だと社長は信じています」
 熱い思いを胸に、ビジネスを支えるITから、ビジネスを変えるITへ。沖縄の企業の活性化のため、微力ながら精いっぱい頑張っていきたい。
(寺田克彦、テラ・ウェブクリエイト社長)