<南風>トラブルはあって当たり前


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 リオデジャネイロ・オリンピックに向けた国内合宿を終え、わがウエイトリフティング選手団は出発しました。地球の反対側のブラジルには、途中ニューヨーク乗り換えのトータル飛行23時間の移動。到着時刻は現地の朝8時ということもあり、旅の疲れはありましたが、なんだか爽やかな気持ちになりました。

 到着したのは、テレビの映像で見た警察官・消防士による「WELCOME TO HELL」(地獄へようこそ)のシーンが映っていた空港。大会期間中、何事もなく無事に過ごせるかと不安になりました。
 そんな不安が的中します。何と到着時点から選手のスーツケース1台と、チームで預けた約300万円する選手のケア治療器が最後まで荷物回転台から出てこないのです。盗難にあったのか不安になり、確認したところ乗り換えたニューヨークで航空会社のミスにより飛行機に積まずに残されたままであることが確認できました。
 急いで手配し、選手のスーツケースはその日の晩選手村に届きましたが、チームの治療器はまたもや届かず所在不明に。選手のケアーもできないという不安を抱いたまま、連絡を待ちました。それから2日後、心配していた治療器が届きました。理由を尋ねると、今度はリオの空港で選手村行きの車に積み忘れられていたとのこと。無事に手元に戻ってきたので一安心しました。
 選手村では、ドクターの部屋の天井から汚水漏れで用意していた薬剤の一部が駄目になり、シャワーのお湯が出ない、トイレの水が流れない―とトラブルがあります。しかし、一生懸命に現地のボランティアの方が選手団のために急いで改善してくれています。海外は、何でもそろっている日本とは違います。選手は、どんな状況にも対応し試合に向け活動しています。
(平良真理、沖縄工業高校ウエイトリフティング部顧問)