<南風>ブラボー! 県立芸大開学30年


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 先週、沖縄県立芸術大学開学30周年記念式典と特別演奏会が同大学でありました。1986(昭和61)年に美術工芸学部で先行開学したのですが、音楽学部は4年遅れて1990(平成2)年に設置されました。以来、多くの卒業生を輩出し、県内外や、国内外で、活躍しています。

 今回の特別演奏会では、卒業生の中から、クラリネットの川上一道氏とソプラノの松田奈緒美氏が招かれて、素晴らしい演奏を披露してくれました。

 沖縄県立芸術大学(県立芸大)は、音楽大学としては、規模が小さく、特に弦楽器専攻の学生数が少ないので、オーケストラの授業を行うために、弦楽器奏者の補充が必要です。その役目を、私も含めて沖縄弦楽指導者協会のメンバーが担ってきました。授業での演奏や、学内外での演奏会など、数多くの時間を共に過ごしてきたので、開学30年記念の節目に当たり、感慨深いものがあります。

 弦楽器専攻の卒業生の中には、沖縄弦楽指導者協会のメンバーとして、活躍している者が何人もいて、頼もしいかぎりです。

 その良い例が先日開催された、「チェリッシモ7」のコンサートです。総勢50人余のチェロ奏者(指導者や生徒も含む)が出演し、盛大に行われました。県立芸大のチェロ専攻の卒業生が指導者となり、チェロの生徒を増やしたことで、このような大人数になってきました。

 観客の皆さんも沖縄にこんなに多くのチェロ奏者がいるのか、と驚きと感動の様子でした。

 それとは別に、もうひとつ卒業生が活躍しているのが、琉球交響楽団です。この楽団は、卒業生が中心になって運営をしていて、年々コンサート活動を活発にしていて、沖縄の洋楽界をけん引しています。県立芸大と卒業生にエールを送ります。ブラボー!
(川崎達、沖縄弦楽指導者協会会長)

※「チェリッシモ7」の「7」はローマ数字