<南風>日常と非日常


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 週末に行われた第46回那覇大綱挽は、27万人の人出でにぎわったとニュースが伝えていました。そして先日、東京銀座のリオオリンピック・パラリンピックのメダリストのパレードには何と80万人の人出があったというのです。イベントが好きで、人混みも平気な人がこんなにも多いとは驚きです。

 変化の少ない平凡な日常と、イベントなどの変化の多い非日常、皆さんはどちらが好きですか? 答えはどちらでもよいのですが、両方ともバランスよく必要です。

 これは先人たちの生活の知恵で、盆正月や綱引きなどのイベントが日常の生活の中にうまく組み込まれ、年間の行事として受け継がれてきました。これは非日常である行事の準備を日常に生活の中でしていくということです。

 日常と非日常は音楽でも言えることで、日ごろの練習やリハーサルが日常で、コンサートや発表会、人前での演奏が非日常となります。練習だけをたくさん積んでも、人前での演奏をやらないと、なかなか上達できません。人前で演奏する緊張感に打ち勝って、気持ちや音楽をコントロールすることが必要なのです。そのために発表会(ジュニアストリングコンサートやチェリッシモなど)を開催しています。

 私はチェロだけではなく、二胡も指導していることを何回か前の「南風」に書いたのですが、その二胡の発表会を明後日の日曜日に浦添市で開催します。今回は非日常の中の非日常です。というのは、私の二胡の先生である周霞氏を中国からゲストに招いての発表会になるからです。私も含めて生徒の皆さんも大変緊張すると思いますが、その緊張感を味方に付けて、発表会を楽しい会に盛り上げていきたいと思います。

 皆さんもそれぞれの日常と非日常を楽しんでください。
(川崎達、沖縄弦楽指導者協会会長)