<南風>宮古島旋風


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 2012年、宮古島市と大正区がNHK連続テレビ小説「純と愛」の舞台地に選ばれ、宮古島の皆さんとの交流が始まりました。

 大阪での共同イベントの時、宮古島から「『宮古島まもる君』の人形を送った」と連絡がありました。「マスコットキャラクターの小さいぬいぐるみ人形」くらいに思っていたら、高さ2メートルほどの顔白塗りの巨大マネキンのような「まもる君」が送り届けられ、区長室の前に立っていて、驚いて腰を抜かしそうになりました。

 宮古島での共同イベントの際には、下地市長もご臨席の下、宴席が催されました。ビールで乾杯。でもその後、皆ビールは飲もうとしません。料理が運ばれてくると、前菜から最後の焼き飯までが一挙に卓に並び、「腹五分目くらいね」と言って皆一斉に食べ始めました。食べ終わると、宮古島産100%ウコン、と書かれた「オトーリ鉄人」という錠剤が一袋ずつ配布され、それが合図のように「オトーリ」が始まりました。

 口上を述べて泡盛を回し飲む、というルールのようですが、作法がよく分かりません。参加していた大正区役所の担当課長は、オトーリ用の水割りと間違え、泡盛原液を飲んで速やかに撃沈。宮古島の方々は180センチを超える課長の巨体を御輿(みこし)のように軽々と担いでホテルの部屋まで送り届けてくれました。その課長いわく、「朝起きると目の前にソルマックが一本置かれていて、宮古島の愛を感じた」とのことです。

 その後、宮古島と大正区の共同開発グッズとして、宮古方言「やまかさ・ずみ・なから・いぴっちゃ」と大阪弁「てんこもり・めっちゃえーやん・ぼちぼち・ちびっと」の目盛が付いた「純と愛」オトーリグラスも発売しました。豪快で温かな宮古島市との交流は笑顔に溢(あふ)れ、これからも続きます。
(筋原章博、大阪市大正区長)