<南風>夜空の勧め


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 先週のスーパームーンを皆さんはご覧になりましたか。私は仕事帰り(夜の7時前だったかな)に、駐車場で車から降り、しばし見とれていました。やっぱり大きく見えましたね。天気も良く、ほんとにきれいでした。

 皆さんは空を見るのは好きですか。季節感の少ない、常夏の島・沖縄でも、空を見ると季節を感じることができます。冬の風の強い、どんよりと曇った空、うりずんの日の光が暖かく感じるさわやかな空、うっとうしい梅雨空、力強い入道雲と日差しの痛い空、うろこ雲のある高い空、などです。それに加え、私は夜空も好きです。

 私が子どもの頃、50年ほど前ですが、その頃は那覇市でも星がよく見えました。夏休みになると、よく屋上で寝っ転がって星を眺めていたものです。天の川や白鳥座など、いろいろな星座を見ることができました。

 今の那覇市内では、夜も明るすぎて見える星も少なくなってしまい(私の視力が悪くなっていることも原因ですが)、夏の夜の蒸し暑さもあり、外で夜空を眺めることが少なくなってしまいました。しかし、朝晩涼しくなったこの時期、湿度も低く、空気も澄み切って、星もきれいに見えます。

 私は週に2回ほど、出張レッスンで名護市と沖縄市に出掛けていて、夜遅く帰宅することがあります。深夜に星を見ると、季節を先取りすることができます。というのは、地球は自転しているので、深夜になればなるほど、次の季節の星が顔を出してくるのです。

 10月頃から夜中の南東の空に冬の星座のオリオン座が出てくるのです。それが、早い時間から見えるようになると、ほんとの冬になるのです。面白いと思いませんか。皆さんも夜空を眺めてみてはいかがですか。
(川崎達、沖縄弦楽指導者協会会長)