<南風>大切なレガシー残そう


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 年に3回、オリンピックへの出場経験があるオリンピアンが集まり、オリンピックムーブメントの一つであるオリンピアン研修会が開かれます。先日、そこへ私も参加しました。

 JOCアスリート専門部会部会長の室伏広治さん(陸上競技)が指揮し、小塚崇彦さん(フィギュアスケート競技)が進行を務め、そうそうたるメンバーが集いに参加しました。

 研修会は、これまでやこれからのオリンピックについて考えました。グループ討論は「2020年東京オリンピックにむけて、レガシー(遺産)とは?」というテーマで討議し、多くの意見を交わしました。

 一般的に考えるレガシーは有形なものととらえがちですが、実は無形で多面的な幅広い観念も考えなければいけません。

 オリンピック効果において、スポーツへの助成やスポーツ国際交流の増加があります。

 経済成長については新規雇用の創出や観光客増、コミュニティー関係ではボランティアの推進や環境配慮、障害者のスポーツ参加など、多くのレガシーが期待できます。

 リオオリンピック陸上競技のトラック種目で選手同士が接触しました。転倒した選手は動揺し、泣き崩れて競技が再開できない状況になりました。

 そこで、一緒にレースしていた他国の選手が手を差し伸べて一緒にゴールに向かったシーンがありました。

 国代表として順位争いを求められている中、その選手が取った行動は見ている者に何とも言えない感動を与えました。

 より多くの人がスポーツに関わることによって、いろいろな価値観がぶつかり合いながら、社会に良い影響を残すと思います。

 無形のレガシーも大切にし、次世代へ伝えていきたいものです。
(平良真理、沖縄工業高校ウエイトリフティング部顧問)