「何が、みんなをそこまでさせるのか?」。私は、そんな疑問をずっと抱いていた。
ハワイ沖縄連合会は50クラブで構成され、会員4万人を超える大きな組織だ。年間20以上のイベントを開催し、執行役員はじめ、そのすべてを、ボランティアが企画・運営している。
「ボランティア」といっても、その活動内容は半端ではない。みんなそれぞれに本業を持っている。なので、会議、イベントの準備はすべて、週末はもちろん、仕事を終えた後の午後7時から始まる。イベント前になると、深夜を回ることも少なくない。それにもかかわらず、みんなが率先して仕事を引き受ける。
12月4日に開催されたイベントで、その答えが少し見えた気がする。
ワイキキで、ハワイ沖縄連合会主催の「レガシーアワード」が開催された。長年にわたり、ハワイ・沖縄コミュニティーに多大な影響を与えた方を表彰するイベントだ。イゲ知事、ホノルル市長をはじめ、500人が出席し、5人の受賞者を祝った。ハワイの琉球芸能普及に貢献された、人間国宝の照喜名朝一氏が初めてハワイ外から受賞された。
ハワイ沖縄会館では、ヤングオキナワンズ・オブ・ハワイ主催の「シニア・ランチョン」が開かれた。ウチナーンチュのシニアの方に感謝を示す目的で500人がランチに招待された。
どちらも私たちの先輩方に敬意を示すイベントだ。私は、みんなを動かす原点はここにあると思った。
沖縄文化とは、まず、根(目上の方)を大事にする。私たちが立っていられるのも彼らの存在があってこそだから。そして、その思いを連続させることが、将来、大きく、きれいな花を咲かせることにつながる。
沖縄のことに一生懸命な、ハワイのウチナーンチュを見ていると、そんな思いを強めている。
(比嘉具志堅華絵、ハワイ沖縄連合会会員、『SHINKA』副会長、1級建築士)