<南風>夢を語りませんか

 夢を語りませんか。

 私の夢は、「人が人を大切にする社会を創ること」です。

 日本において朝鮮人として生まれた私は、多くの人が持っているものを持てずに生きてきました。

 通っていた学校(朝鮮学校)の近くで、「朝鮮バカ死ね」と落書きされたこともありました。日本学校には支給される国や地方自治体からの補助金も、朝鮮学校には支給されていません。結果、朝鮮学校の教員は、まともな給料すらもらえません。

 私の父は、そんな朝鮮学校の教員でした。家にお金はありませんでした。自分の誕生日は、プレゼントをもらう日ではありませんでした。誕生日は、両親からの心のこもった「おめでとう」の言葉と、二人の姉からの温かい手紙をもらう日でした。しかし私は、家族や朝鮮学校で、大切なものを授かりました。

 父からは自分の夢を持ち続ける力を、二人の姉からはそれを実現する勇気を、今は亡き母からは夢と自分を信じるための愛を授かりました。朝鮮学校では、共に夢を追う仲間を見付けました。

 そして、沖縄で一人暮らしをしている今は、多くの人に支えられながら、夢に向かって進んでいます。

 たとえ誰かが、朝鮮人である私に差別や偏見を向けたとしても、夢を持ち進み続ける私を止めることはできないでしょう。

 私たちが理想とする社会は、どのような社会でしょうか。一人一人が夢を持ち、互いにそれを尊重できる社会ですか。それとも、一人一人の夢をあざ笑う社会ですか。

 まだ現実を見ることができていない、若輩者の戯言(たわごと)と言われても、勇気を持って、一人一人にこの問いを届けます。もし、この問いが未熟であるならば、成熟とは何かを教えてください。

 夢を語りませんか。
(白充、弁護士)