<南風>私は役者、あなたも役者


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 「世の中を舞台にして、人は演劇のようにその時々の役を演じているだけ」。たしかにその通りかもしれません。人と接するその瞬間瞬間に様々な役になりきり、その場面に応じて1日に何種類もの役を演じることになるでしょう。

 朝は子供を起こす目覚まし時計から始まって、仕事中は上司だったり部下だったり、昼食時はお客さん、帰ってからは家庭教師、コックさん、銭湯店主、洗濯屋さんなどなど1日にいろんな役を演じているのかもしれません。

 なんかそう思うと目まぐるしい1日も楽しく感じてきませんか。失敗して怒られても、「今は怒られ役を演じている」と思うと少し背中が軽くなる気がしますよね。日常生活も考え方、とらえ方次第で、パッとみんなが主人公になる華々しいステージに早変わりです。

 もう少し長い周期で見てみると、学ぶこと、成長することが一番大切な「学生」、互いに支えあい幸福な場所づくりに精を出す「夫」、子供を慈しみ成長を促す「父親」、うまく演じきれているかどうかはわかりませんが、今まで通ってきた、または現在進行中の私の役柄です。その時々の舞台で最良のパフォーマンスを発揮することがいい役者の条件です。まだまだ大根役者の私ですから「ああすればよかった」。そんな後悔の繰り返しで人生は彩られている気がしてなりません。でも後悔があるからこそ、「次はこうしてやろう」と奮闘し、いい役者への階段を少しずつ昇っていくのです。

 では最上の役者になるにはどうすればいいのか。

 イキのいい沖縄エンターテイメントの祭典「てだこ演劇祭」、9/15「劇団OZE・手登根一家の民泊物語」、9/17「チームスポットジャンブル・鬼切鬼丸」、9/18「演芸集団FEC・お笑い米軍基地」で、その答えを彼らから学んでみるのはいかがでしょう。

(山口将紀、浦添市てだこホール 総務企画課チーフ)