<南風>挑戦し続ける


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 1年の中で自身と向き合う大きな節目となる時期は3回あると思う。それは、新年の1月、新年度の4月、誕生日。そのひとつである誕生日を今月迎えた。

 新年や新年度は、置かれる新たな環境によって考え方が変わってくる。学生は進級や進学、社会人は、決算を終え新たな時期がスタートしたり、役職が変わったりなど仕事に向き合う気持ちに変化が生まれる。

 私にとって誕生日は生まれてきたことや周りの方々への感謝の日であると同時に気が引き締まる日。毎年この日は、これからの1年をどう過ごすか、自分と向き合う時間を取っている。

 日々いろんなことに追われてあっという間に過ぎていく時間。そんな時間に流されて見過ごしてしまう心との会話の時間。1枚の紙を前に、立てた目標をどこまで達成できたか、新たに挑戦したいことは何か、どんな女性になりたいかなど心の声に耳を傾ける。

 心の声に耳を傾ける時、大事にしている父の教えがある。「挑戦」という言葉。波乱万丈で困難な壁をいくつも越えてきた両親の人生と、何歳になっても挑戦し続ける父と母の姿から多くのことを学ぶ。

 失敗を恐れずに挑戦すること。失敗をしない挑戦しない生き方より、挑戦する生き方、選択をとること。誰よりも多くの成功や幸せを手にした人は、誰よりもたくさん挑戦した人。挑戦したことによって手に入る経験はすべて財産だということ。

 入院と手術の繰り返しだった高校生活を思い出し、やりたいことに挑戦できる環境を大いに楽しみたい。

 生活が豊かになり何でも自由に手に入るこの社会で、貪欲に、自分らしく生きるために、後世に誇れる人であるために、自分と向き合う時間はそんな新たな挑戦に耳を傾ける。

 挑戦し続ける生き方はかっこいい。
(玉元三奈美、世界若者ウチナーンチュ連合会代表理事)