<南風>無関心から関心へ


社会
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 最近、祖先のルーツをたどることを「したい」から本格的に始めた。

 玉元家は、祖父母の代に伊良部島から沖縄本島に移住。親戚がまとめた家系図があり、約200年前の7代前の名前まで分かる。

 一方で、旧姓である母系の家系については、興味がなく、「いつかはしたい」でとまっていた。調べたのはここ最近のこと。驚くことに琉球王朝時代の約600年前までたどれるかもしれないということが分かった。

 琉球王家とつながりがないと思っていた私は、歴史の勉強をしてもどこか心の奥底で関係ないと感じていたが、無関心が自分事となると、今まで見てきた物事への見方が180度変わる。

 祖先は、どういう時代を生き、何を考えて、道を切り開いてきたのか。歴史から学び、未来に活(い)かす考え方が多くある。調べれば調べるほど興味が生まれ、驚きの新事実発見という歴史ロマンが隠れている。

 世界、日本、沖縄で起きている様々な問題。当事者ではない話題に関して、私たちは通り過ぎてしまいがち。身近なことに「関心を持つこと」の大切さを改めて感じた。

 私にとってルーツを調べることは、今が良ければ良いという考えより、子や孫、次の時代につなぐモノであると感じる。自分の歴史を自分の言葉で語り、伝える大切さを日々感じる。だからこそ、執筆し、書籍を残し、形を残す。

 今回、祖先のルーツをたどるなかで、祖父や祖母たちとのつながりを強く感じた。琉球王朝、沖縄戦を生き抜いた祖先から受け継がれた命の重み、生かされていることが当たり前ではないのだと感じる。

 「いつかはしたい」を何もしないまま時を過ごすより、行動することで得られる発見は、倍以上に返ってくる。とりあえずやってみれば発見がみつかる。
(玉元三奈美、世界若者ウチナーンチュ連合会代表理事)