<南風>10月30日は記念日


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 10月30日の「世界のウチナーンチュの日」まで、あと12日となった。

 昨年の10月30日に、過去最多の参加となった海外26カ国2地域の約7千人の海外参加者の喜びの歓声に包まれ、「第6回世界のウチナーンチュ大会」閉会式で「世界のウチナーンチュの日」制定が宣言された。

 沖縄県は、全国でも有数の移民を送り出した県として知られ、その歴史は100年を超える。多くの沖縄県民が海を渡り、異国の地で懸命な努力によって、さまざまな困難を乗り越え、それぞれの地で生活の基盤を築いてきた。そして、沖縄の伝統や文化、アイデンティティーを子供や孫に受け継いできた。

 10月30日は、これまで脈々と築き上げられてきた沖縄独自の世界のウチナーネットワークが今後も繁栄していくようにと願いが込められている。歴史と繋(つな)がりを、沖縄独自のソフトパワーを通して交流を発展させていく。

 まだ認知度は高くないが、今年は、海外の県人会や沖縄県、各市町村が、祝賀会やシンポジウム、イベントなどさまざまな取り組みを予定している。移民の苦労や功績を描く舞台公演「ヒヤミカチウチナー!平良新助物語」や、沖縄移民を知るワークショップ、移民の足跡や名所を巡るバスツアーなどが開催されている。

 また、海外を含め、沖縄文化に関連するイベントが多く企画され、伝統芸能や空手、エイサーなどが披露され、世界のウチナーンチュが誇りとともに交流を深める場になるだろう。

 10月30日の記念日が年々広く浸透していき、沖縄を含む世界の沖縄県系人が沖縄文化やビジネスの面でもさらに活発な交流を広げていくことを期待する。

 ウチナーネットワークの継承に加え、多方面からの「活用」に取り組み、更なる発展を目指したい。
(玉元三奈美、世界若者ウチナーンチュ連合会代表理事)