<南風>エールを受けて


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 琉球新報コラム「南風」の執筆を担当してから5カ月目に突入した。「毎回読んでるよ! 楽しみにしてるよ!」などなど、ありがたい声が届く。

 以前書いた「涙のイルカショー」(9月25日付)を読んだ読者の方から「声」の投稿があり、私も掲載されたその感想文を拝読した。繋(つな)がりを感じ、とても嬉(うれ)しく思った。人との繋がりが私の栄養になっていると改めて感じた。これから筆を持つのが更に楽しみになった(本当はパソコンだけれど)。

 届く声は様々でこれまた楽しい。「俺はいつ登場するんだ? まだか?」と目を輝かせる方。「私の事は書かないでよ~」なんて言いつつ、とても書いて欲しそうに笑いながら私の肩をビシビシ叩(たた)く方。「半年もあるならネタ切れが心配だな。一緒に考えてあげるさ!」と真剣にお世話したがる方も。私は愛されているのだと思う。しかし心配ご無用。想(おも)い溢(あふ)れているのでネタには困りませんの。

 書くタイミングは飛行機の中が多い。忙しく動く世の中を文字にすると、どんな記事になるか目を閉じて物思いにふける。そのまま眠りに入ってしまい、慌てることもしばしば。

 コラムの執筆依頼があった時は、素直に嬉しかったが、締め切りが苦手な私への試練が来た!と身構えた。それでも、少しでもやりたい気持ちがあればやってみたい。大変そうな事へも飛び込んでいきたいとの思いからスタートした。興味のある分野に自分のフィールドを広げて駆け回りたい。そうやって今まで道を拓(ひら)いて来たから。唄の世界で生きる私に、執筆の機会を与えていただいたことに感謝している。連載も残りあと2カ月。このまま続けたいなと今では思う。

 「この記事は俺の事だろう?」。嬉しそうなあの方の声が聞こえて来そうだ。沿道の応援は賑(にぎ)やかだ。
(上間綾乃、歌手)