<南風>人に尽くす


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 炎(かぎろい)の見る間に変わる朝ぼらけ、冷たい風に襟を立てる。木枯らしの緑葉揺らし山茶花の、赤々凛(りん)と花は咲いてる。

 冬が始まる。

 医師を辞めて1年になる。あっという間で、これを夢のまた夢と言うのであろう。

 一日一生の覚悟でいても、過ぎ去りし日々は夢か現(うつつ)か覚えが無い。

 無我夢中である。

 我成すことは、弊社を人や世に必要とされる企業に育てることである。

 また、社員や協力業者とその家族を、物心共に豊かにすることである。

 その為に、事を成し事を進めていく。

 会社を社会の公器に戻すべく、財務内容をガラス張りにした。

 従来の建てては壊すScrap & Buildの建設業から脱却し、建築物の持続的使用を目的とした商いへと業態を変えた。

 福利厚生を充実させ給与を増額し、社員を大切にする人づくり企業になった。

 税金を払えるようになった。

 経営者の中には、「どうせ税金で取られるのだから、経費で使った方が良い」と言う人がいるが、私はそうは考えない。

 頑張って赤字なら致し方無いが、税金を払うことは、企業の大きな社会的責任であり社会への貢献である。

 私は、最澄の一燈照隅万燈照国に思いを同じくする。ひとつの灯りは隅しか照らせないが、万の灯りになれば国をも照らすことが出来よう。私達は、その一灯でいたい。これからも法律を遵守(じゅんしゅ)した適正な大きな利益を出し、沢山の税金を払っていく。

 医療も企業行動も人に尽くすのが仕事である。

 私達は、変わらず人に尽くす企業で在りたい。

 なせば成る

 為さねば成らぬ

 何事も

 成らぬは人の

 為さぬなりけり   鷹山

(東恩納厚、東恩納組代表取締役会長)