<南風>最後のゼッケン付け


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 先日、息子の小学校最後の運動会だった。台風の影響で延期になったが、当日は申し分のない運動会日和だった。

 前日の夜、ゼッケンを付けようと「体育着持ってきて~」と息子に言うと、部屋へ。嫌な予感的中。3着ぐらいある体育着を洗濯機へ入れる。今から洗濯!? 明日、運動会だよ。今何時と思っているの!! 今から洗濯して、乾かしてゼッケン付け! いろいろと思い出に浸りながら最後のゼッケン付けをと思っていたが、一気にわじわじーモードに。

 息子は洗濯機をスピードモードでやってみたり、除湿器で乾かしてみたり、新しい洗剤はいい感じとか、朝早起きして自分でゼッケンを付けるからとか言ってみたり。私の機嫌を取ろうと必死だった。

 最後のゼッケン付けは、やっぱりやりたくて結局息子が寝た後にチクチク。縫いながら、洗濯機も使いこなし、縫い物もできるようになったんだな~と。でもグダグダな感じはそのまま。朝起きてきて、「あっ、やってくれたんだ。でも少しずれている…」。ムッとしたが息子らしい発言が面白かった。

 6年間あっという間だったな。1年生の頃は自分の子だけを見ていたが、今年は他の子の成長も感じ、運動会全体を見るようになっていた。親子でのフォークダンスでは、背はまだ私より小さいが、手は大きくなり固くがっちりに。エイサー、リレーはもちろん感動したが、最終学年として、係の仕事をやっている姿にもジーンときた。心も体も成長していることを感じた最後の運動会だった。

 来年からは中学生。ますます、口と耳は自分の都合のいい時にしか開かなくなるだろう。将来が楽しみな半面、このままでいてほしい気持ちもあったり。

 小学校生活も残り半年。自分らしく、仲間と思い出をたくさん作ってほしい。
(平良和、沖縄リハビリテーション福祉学院教員、言語聴覚士)