<南風>沖縄に根付く行事


社会
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 家族の健康や豊作の祈願、子供の成長や長寿を祝う行事、冠婚葬祭など、沖縄では1年を通して多くの行事が行われている。

 毎年行われている地域行事は何のためだろう。なぜこの道具を使うのだろう。子供が満1歳になるとなぜタンカユーエーをするのだろう。重箱には何をいれるのだろう。家の台所にはなぜ火の神というものがあるのだろう。沖縄のカレンダーにはなぜ満潮・干潮の時間が書かれているのだろう。

 行事の意味合いや方法をあなたはどれだけ知っていますか。

 今まで祖父母や親が行ってきたことを引き継いで、いざ自分がしようとなるとあれ? こうだったかな? これはなぜだろうと疑問ばかり。地域や家庭によってやり方が様々あるからこそ、何度やっても細かいところを忘れてしまう。

 旧暦で行う年中行事といえば、旧正月やハーリー、清明祭、お盆、ムーチーなど。人生の節目節目に行う行事といえば、タンカユーエー、十三祝、結納、結婚、生年祝、葬儀など。他にもたくさんの行事と習慣がある。

 沖縄の人は、地域や家庭の中で見合ったやり方に変化をしながらも習慣を大事にし、祈ることを大切にしていることがわかる。

 行事一つ一つに意味があり、方法にも意味がある。それを聞いたり調べたりすることでさらに行事の大切さを理解できる。一度教えたら大丈夫ではなく、伝える側も教わる側も毎年毎回、一つ一つの意味を確認し合い、これまで行事をつないできたご先祖様、家族をつないできたご先祖様に感謝をしつつ、相互で行事を理解し、みんなで地域や家族の行事を支えていくことが必要だと感じる。

 海外の沖縄県系社会でも、行事のあり方や方法を知る人が年々少なくなってきているが、今後の活動のひとつとして、海外県系人にも伝えていきたい。
(玉元三奈美、世界若者ウチナーンチュ連合会代表理事)