<南風>文化芸術で息抜きを


社会
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 浦添市てだこホールは「文化芸術の力でみんなの笑顔を照らす太陽(てぃーだ)となる」を運営理念として掲げている。これは、どこでもだれでもどんな時でも平等に一人ひとりの足元を照らし、先行く道をいざなってくれる太陽のように、てだこホールも来館者一人ひとりの個性に応じて、文化芸術のもつ魅力を多くの人々に伝え、心からの笑顔を引き出すことができる施設を目指すとの思いが込められている。

 ホールの役割はきっかけ作り。もしかしたら後の人生に大きな影響を与えることになるかもしれない文化芸術といかに幸福なかたちで出会えるか。大切なことは、観客には「来てよかった」、出演者には「演(や)ってよかった」をお土産に、もう一度足を運んでもらうこと。さらには運営する我々も笑顔で働ける環境を整える。八方美人な気もするが公共ホールにはそんな心意気が必要だと思う。

 エンターテインメントは人生に必要なものだと思っている。「楽しむこと」「楽しんでもらうこと」を人生の真ん中に据えて生きてきた。「楽しくなければ人生じゃない」とは言わないが、どうせなら楽しいほうがいい。何事も一生懸命やればやるほど、息抜きが必要になる。充実した仕事のためには、それと同じくらい充実したエンターテインメントと接することが大切だと思う。ホールの仕事は人を笑顔にするだけでなく、時に人生をも作り上げる仕事だと自負している。音楽、演劇、舞踊、講演会、何かがきっかけとなって、心の指標ができると意識が変わる。てだこホールは明日へのパワーになるような時間・空間を提供できる場所でありたい。

 日々多忙でいつもがんばっているみなさん、貴重な休みに文化芸術での息抜きはいかがですか。ぜひ一度浦添市てだこホールにいらしていただきたい。
(山口将紀、浦添市てだこホール総務企画課チーフ)