<南風>今知らない自分と出会える


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 2018年がスタートした。ご縁あって頂いた「南風」執筆の機会は、私の新たなチャレンジになった。初回は客室乗務員1年目、体重42キロで運動音痴の私が挑戦した鉄人レース完走までのストーリー。

 今から30年前、私は当時の南西航空(現JTA)に客室乗務員として入社した。幼い頃から憧れていた仕事は想像していた以上に体力が必要で、自己管理が求められるかなりハードなものだった。学生時代の体育の成績は2、体力的に適性がないのではと悩んでいた。

 そんな時に、たまたま観(み)ていた宮古島トライアスロンの番組で、様々な想(おも)いをもって挑戦する選手たちの姿に涙がとまらず、この感動のドラマに自分も挑戦したい!と思ったのだ。ところが、家族や友人は「ともかく無理だからやめた方がいい」の声のみ。22歳で初めての自転車、乗れるようになるまで何回転んだことだろう。体は青あざだらけ。スイミングスクールのコーチからは「その程度の泳力ではトライアスロンなんて絶対無理」とまで言われた。

 しかし、私は「ゴールのテープを切る瞬間」だけを強くイメージし、ひとりコツコツと地道な努力を重ね、水泳3キロ、自転車155キロ、ラン42・195キロの宮古島トライアスロンを制限時間内に完走できたのだ。石垣島や伊是名大会を経て、思い立ってから1年後のことだった。レースは、沿道の温かい応援や選手同士の助け合いなど、まさに感動のドラマであった。

 この経験が私の原動力となり、仕事をはじめ様々な場面で自分を鼓舞し、諦めない心、プラス思考に繋(つな)がっていった。全ては最初の一歩から。挑戦の先には成長がある。困難に思えることも、プラス思考で挑戦すると可能性は無限大になることを学んだ。挑戦すると今知らない自分と出会える。今年、どんな自分と出会えるかとてもワクワクする。
(亀川智子、JTA客室乗務員JALJTAセールス法人G長)