<南風>おかげさまで10周年


社会
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 初めまして。小さな農家の応援隊、ハッピーモア市場取締役の多和田敬子です。この度ハッピーモア市場は、おかげさまで10周年を迎えることができました。このコラムでは、たくさんの方に支えられ一歩ずつ歩んできた10年間と、少し私のことについてもお話ししたいと思います。

 ハッピーモア市場とは、ビニールハウスがトレードマークの宜野湾市志真志にある地域密着型のファーマーズマーケットです。230坪の店内には野菜売り場、イートインコーナー、イベントブース、奥には自社栽培のハーブ園もあります。「おいしく楽しく野菜を食べる」「食を通して皆様の健康を支えていく」をテーマとしています。

 立ち上げたきっかけはトマト農家である義理の父のビニールハウスの縮小でした。この土地は先祖代々100年以上受け継がれてきた場所で、戦争孤児だった義父の土地を守るという強い想(おも)いを引き継ぎ、ビニールハウスを利用した市場を始めました。

 もともと不動産経営を主に行っていたので、そのノウハウを活(い)かしてアパート経営をしようと考えていました。ですが、元は農地だったため農業以外で土地を活かす方法がありませんでした。どうしようか悩んでいるとき、南部にビニールハウスを活用しているファーマーズマーケットがあり、そこからアイデアを得て市場を立ち上げることにしました。様々な人からノウハウを学び、試行錯誤して、現在のハッピーモア市場になりました。最初は20人だった契約農家が、現在では1080人にまで増え、月に買い物客が6千人来店するお店に成長しました。

 これからも農家さんとお客さん、スタッフがもっと幸せになれるように、楽しい市場を目指してがんばっていきます。これから半年間どうぞよろしくお願いいたします。
(多和田敬子、ハッピーモア市場取締役)