<南風>音楽は観光資源


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 先日、宮古島で行われたドームフェスタというイベントの実行委員会の末席で、スタッフとして働いていました。県内を中心としたミュージシャンがたくさん出演してくださったイベントは、宮古島市民にとって素敵な一日となりました。しみじみ、沖縄県内のミュージシャンのレベルの高さに感服した日でした。

 民謡はもちろん、ポピュラーミュージックのミュージシャンのレベルが高い。沖縄は、音楽が観光資源となる土地柄と再認識しました。県外の旅行客には、沖縄の音楽に影響されて訪れる人も少なくないはずです。

 沖縄の音楽は、世界的にも他にはない音偕でのメロディー、楽器、リズムによって、独自性を強くもつルーツミュージックであり、現代でも土地に根付いて愛され続けている。そのまま継続して大切にしていただきたい文化です。

 選挙でも当選した候補者はカチャーシーを踊る。もちろん他の県ではありません。政治的概念はいろいろでしょうが、どんな政治家も沖縄を平和に踊れる未来に向かわせよう!と一生懸命なんだなと感じ、見ていて幸せな気分になります。

 南米、中南米をはじめ、世界中のリズムを勉強しに旅してきた私が、まだ掴(つか)めていないのが沖縄のリズム。カチャーシーなどを周りの人たちが踊り出した際に、どうしても私のリズムの取り方は早くなってしまう。特にご高齢の方の踊りはまるで時が止まったような錯覚をし、見ているだけで沖縄のいろんな想(おも)いを受け止めてしまいます。

 リズムがアイデンティティーとなっている県は、日本では沖縄と徳島くらいなはず。沖縄では耳から入る音楽も観光資源なのです。

 もしかすると、沖縄の音楽を守ることが、自然や平和を守ることに繋(つな)がっているのでは? 音楽には、目に見えない力がありますからね。

(江川ゲンタ、打楽器奏者 宮古島大使)