<南風>農家のおすそわけ


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 みなさんこんにちは。農家さんやお客さんから「見てるよー」と声をかけていただいて、嬉(うれ)しい半面、なんだか少し気恥ずかしく思います。前回のコラムを見てくれた農家さんから励ましの声をいただき、コラムがきっかけで来店された方もいらっしゃいました。嬉しい反響です。ありがとうございます。

 今回はハッピーモア市場がスタートしたばかりの頃のお話です。

 ハッピーモア市場は「農家のおすそわけの野菜が買える店」を目標にしました。健康のため食材の安全性を気にかけていたからです。

 我が家の3人の子供たちは喘息(ぜんそく)やアトピー持ちで、決して体が強い方ではありませんでした。そのため、子供たちが大きくなるまでは外で働けず、子育てをしながら家でできるアパートの管理業をしていました。子供が敏感だったので食や健康、安全に対する意識が高まり、健康に関する勉強を常日頃からしていました。

 その頃、よくおじぃとおばぁから農薬不使用、愛情たっぷりの野菜をおすそわけでもらっていました。おすそわけのお野菜って基本的に安全なものですよね。そこからヒントを得て、「農家のおすそわけの野菜が買える店」というコンセプトになったのです。

 第一歩は農地を整備するところからです。道と駐車場の整備。ビニールハウスを店舗にしたので、農業用から特殊なビニールハウスへの改良。自家栽培ができるように店内奥に畑も用意しました。お金をかけないように、社長が一人でコツコツ野菜台などをひとつひとつ手作りしました。

 スタッフは私と姉を含め女性5人と、男性は社長1人の計6人。そして20人の農家さんと一緒に始めました。集まってくれた農家さん、スタッフへ感謝の気持ちでいっぱいで、このメンバーと共に精いっぱい頑張ろうと決意しました。
(多和田敬子、ハッピーモア市場取締役)