<南風>アテンションプリーズ


社会
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 28年前の2月、先輩から「一緒にお客様向けの新聞をつくらない?」と誘われた。お客様にもっと親近感を持っていただきたいという先輩の熱い想(おも)いに触発され、4人の有志で新聞づくりがスタート。「アテンションプリーズ」と名付けた手作り新聞は「アテプリ」の愛称で親しまれている。

 創刊当時は鉄筆のガリ版刷りでスタートし、その後ワープロからパソコンへと進化していった。この28年間に携わった客室乗務員は延べ100人、現在は入社1年目からベテランまで11人が活動している。

 記事の内容は全て自分たちで考え、3カ月に一度のペースで発行している。沖縄の魅力情報や飛行機に関すること、おすすめスポット、機内での心温まるエピソードなどを紹介。石垣島のプロ野球キャンプで選手にインタビューしたときは、まるで新聞記者になったような気分だった。

 創刊100号を発行した2年前には、県内外の「アテプリ」ファンから激励のお手紙を頂いた。南西航空時代の「アテプリ創刊号」から100号まで綴(つづ)った100号記念冊誌は、現在、JTAの機内や県立図書館でも手にすることが出来る。

 この活動は先輩後輩の垣根を越えたチームワーク作りに奏功している。取材や編集作業を通じて「沖縄」への興味を高め研究心を醸成、お客様との会話に繋(つな)がっている。私は28年間ずっと携わっているが、お客様に喜んで頂きたいという想いは創刊当時と変わらず、今ではJTAの文化と言っても過言ではない。人は自ら考え行動することで、キラキラ輝くということを「アテプリ」のメンバーから学んだ。自主的に活動する姿は活(い)き活(い)きとしている。

 3月1日、112号を発行する。紙面版は沖縄県内空港出発ロビー、Web版はJTAのホームページで閲覧できる。快適な空の旅の1ページにぜひどうぞ。
(亀川智子、JTA客室乗務員JALJTAセールス法人G長)