<南風>新春朗読バトル


社会
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 珊瑚舎の新学期は1月8日から始まりました。新年の挨拶(あいさつ)をした後、「新春朗読バトル」を開催。これは自作の文章をそれぞれが朗読し、参加者の投票で勝ち負けを決めるトーナメント制です。以前は「詩のボクシング」と称して二人ずつの対戦で自分の好きな作品を朗読していました。

 3年前からハードルが上がり、予選の1、2回戦は自作を、3回戦は用意された同じ詩を朗読します。決勝戦は会場から「お題」をもらい、即興で朗読します。

 予選の作品を用意していなかった生徒は慌ててことばを捻(ひね)り出すことになりますが、作品自体に縛りはありません。制限時間3分以内に朗読できるものであればいいのです。

 メンバーは小・中・高の生徒とスタッフ、スタッフの子どもです。スタッフの子どもは6歳児、これがなかなかの強敵です。そのまんまのことばは変に捻ったことばより胸を打ちます。今回は2回戦まで進みました。初めはイヤダー、恥ずかしいと言っていた生徒も試合となると真剣、用意したどっちの作品を最初に読むかも問題です。私は今年も1回戦敗退でした。作品は物語、俳句、詩、ことば遊びなど様々です。バトル後、用意してきた作品は朗読できなかったものを含めて冊子にします。

 今回の決勝戦は、なんと敗者復活戦から勝ち残った男子が登場。会場から出た「お題」は『非常口』です。皆さんはどんな作品を作りますか。考える時間は1分です。優勝したのは女子の次の作品でした。

 『私の非常口』

 「あの日 ギターをかき鳴らした非常口/あの日 みんなで笑いながら駆け上った非常口/あの日 卵を落とした彼を叱った非常口/私のあの日の非常口が毎日をつくっている」

 見学の方が「来年参加したい」。嬉(うれ)しかったです。どなたもご参加、大歓迎です。
(遠藤知子、珊瑚舎スコーレ スタッフ)