<南風>こだわりの農家さん


社会
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 ハッピーモア市場(宜野湾市志真志)には、こだわりの農家さんがいます。そのうちの3人を紹介します。

 1人目は立ち上げ当初から一緒に頑張ってくれているお隣近所の農家さん。それまでは家族で食べる量しか栽培していませんでしたが、出品がきっかけで生産量が増えました。売上金で孫たちにごちそうを振る舞ったり、旅行したり、楽しんで農業をしています。「みんなに野菜を食べてもらってお小遣いが入って、デイケア行くより楽しいし、健康になるね。いつもありがとう。ハッピーモア市場があってよかったさぁ」と毎日感謝しながら納品してくれています。こういう声をいただくと、お店を通して皆さんのお役に立つことができて「市場を作ってよかった」と心から思います。

 2人目はヤギに襲われながらキャベツ作りを頑張る農家さんです。そう聞くと普通、「え!? どんな危険な農業してるの?」と思いますよね。実は、ヤギの糞(ふん)を肥料として有機農法でキャベツを育てているんです。ヤギも動物なので、機嫌が悪い時は攻撃するそうです。「今日はヤギに蹴られたさー」なんて話しながら納品する日もあります。苦労して育ててくれているこのキャベツ、絶品なんです。美味しい作物の作り手の情熱的な仕事ぶりを見ると、農家さんへの尊敬の気持ちがさらに強くなります。

 3人目は野菜をひとつの作品を作るように丁寧に栽培している農家さんです。毎朝、野菜についた虫をひとつひとつ取ることから始まり、丁寧に選別して納品してくれます。「私はお薬を使わずに野菜を作っているのよ」と誰よりも野菜に愛を持って育てています。

 愛を込めたお野菜は違いがわかるんです。お客さんからも「ここの野菜は味が違う、美味(おい)しい」と言っていただけます。一生懸命な気持ちは食べる人にも伝わるんですね。
(多和田敬子、ハッピーモア市場取締役)