<南風>縁の下の力持ち


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 ここ数年、本県の水球競技が全国大会で活躍できているのは、多くの方々の応援や支えのおかげだ。中でも那覇商業高校水球部マネージャーの働きには頭が下がる思いである。

 現在、那覇商業高校プールでは、那覇商業高校および那覇西高校の男女水球部と小中学生で構成される沖縄フリッパーズが練習を行っている。マネージャー陣は、選手の誰よりも先に来て、プールサイドまでの広範囲を丁寧に清掃。給水準備やタイマーと水球キャップのセッティング、選手の健康チェックに救急バッグの管理と目まぐるしく働く。

 練習開始前には、指導者が組んだ練習メニューを選手に説明。スイムのタイム測定、用具出しに給水補助と練習中も気を抜かない。知らぬ間におにぎりを握り、選手が練習終了後すぐにエネルギーを補給できるよう準備している。

 試合の後は、記録ビデオを見直して試合内容を分析し、良いプレーや反省点・課題点をまとめる。また、ジュニアチームの練習では指導者陣の熱のこもった大きな声を和らげるように、小中学生に優しく励ましの声かけ、安全管理を行う。

 プールへの来客にも素早く対応。スリッパを用意し、パイプ椅子を並べる。座る場所をタオルで一拭きしたら傍には麦茶が置かれている。本県水球マネージャー陣の気配りについては、県外チームからの評価も高い。

 大会の結果によって選手や監督が称賛を受けることができるのは、マネージャー陣の陰なる支えがあるからだ。舞台に立つことはなくても、全体をよく見渡し、主体的・計画的に黙々とマネージャーの仕事に取り組む姿は、選手と同じくらい輝いている。気配りの心は先輩マネージャーから後輩マネージャーに引き継がれ、沖縄水球の伝統の一つとなるのだ。
(永井敦、那覇西高校水球部監督)