<南風>奇跡の星


社会
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 聞いた話だと、宇宙とは無限らしい。夜空に輝く星のほとんどが、太陽のように燃えている星のようで、その周りにはもっとたくさんの見えない星があるようだ。

 輝く星の光は10万光年なんて距離からの光もあり、その光は10万年前の光だから今はもうその星は無い?なんてこともあるようだ。

 地球のある太陽系なんて、どうやら宇宙からしたら小さいものらしい。宇宙で、地球のように生物がいたり、その生物が人間のように文化を成し得ている星は、まだ確認されていない。

 地球とは、奇跡の星なのだ。

 地球の、いろんな生物がいる中で知的生物である人間は、人間側から見たり感じたりすることから文明を築き上げて現在に至る。すっかり、宇宙の中心のような気分になっている。

 輝く星のほうから地球を見たら、果たして人間は、どんなふうに見えるのだろうか? 私は、星空を見上げる度に、逆に、輝く星のほうから地球を想(おも)い、地球に暮らす人間を想像してみるのだ。

 戦争、国境、原発。

 町の灯りやビルなどの建物。

 そしてクヨクヨしている自分のことも。

 その輝く星の光が発した遠い昔には、地球に文明さえ無かったのだ。

 その光が届いた現在、地球は人間というワガママな動物がこの星を都合のいいようにいじくり回し、未熟な人間の勝手な解釈で小さな枠組みにこだわって争っているのでは、と私は思ってしまう。

 世界中のすべての人が、地球という星の奇跡に歓喜して、感謝するようになったら? 世界はもっと美しく、平和で、優しさに包まれるに違いないのに…。

 美しく輝く星空を見上げる度に私は、そんなロマンチックな想いにふけています。
(江川ゲンタ、打楽器奏者 宮古島大使)